CAPS患者・家族の会

CAPSと薬

私達は必要な薬をすべての患者に投与できる環境を目指しています

現行の治療法
新しい薬剤が、クリオピリン周期性発熱症候群(CAPS)患者にみられる細胞内のIL-1β(炎症性サイトカイン)のシグナル伝達を防ぐことができます

CAPS

近年、遺伝子レベルでの研究が進み、診断できるようになった稀少な疾患であり、いまだ確立された治療法は無く、国内で適用を受けている薬もありません。多くは炎症制御の為にステロイド剤、免疫抑制剤などを投与して来ましたが、卓効があるとはいえません。

一方、欧米では、『アナキンラ(Anakinra/Kineret®)』など炎症の主要因(IL-1βの過剰産生や過剰分泌)を標的とする薬が、開発または生産の段階にあります。家族性寒冷蕁麻疹(FCU)・Muckle-Wells症候群(MWS)・CINCA症候群患者の多くが、最近実施された研究試験のほか、IL-1βを阻害する種々の薬剤の臨床使用に対して非常に良好な反応を示しています。クリオピリン周期性発熱症候群(CAPS)患者の多くが、このような薬剤の投与を開始すると全身の炎症が大幅に軽減して健康状態の劇的な改善を示します

しかしながら国内においては医薬品として承認されていないことから、容易に入手できる薬ではありません。一部の患者の中には個人輸入などによってアナキンラを投与した結果、

「歩行困難が投薬後数ヶ月で歩けるようになった」
「毎日の発熱・頭痛・関節痛が無くなった」
「入院で行けなかった学校に通えるようになった」

等の劇的な改善が報告されています。しかし、高額な薬の使用は一般家庭にとって重すぎる負担となります。

アナキンラの優れた効果も確認できていることから、日本小児科学会からも、必要性や有用性を説明いただき、日本における早期承認を審議してもらいましたが、欧米でも、もともとは大人の慢性関節リウマチへの適用薬であり、CAPSへの適用はなくオフラベルで使用していること、患者数が少なく製薬会社も治験を実施する意思がないことなどの理由から、見送られたまま進展がありません。

そのほかにもCAPS適用薬として、近年海外では同様な生物学的製剤である

リロナセプト(Rilonasept/Arcalyst®):米国(2008.2承認)
カナキヌマブ(Canakinumab/Ilaris®):米国(MWS・FCUに対し2009.6承認)

等の薬が開発されました。これらは効果の持続性が増し、投与回数も減らせ患者への負担軽減も見込まれます。しかし大変残念な事にこれらも国内承認の目処がついていない状況です。

患者達は乳幼児期からの激しい炎症や発熱を繰り返しながら障害や痛みに耐え、そばで見守るしかない家族は必死の思いで看病しております。 私達は一刻も早く必要な薬を全ての患者に届けたいと願い、早期承認に向けてできる限りの努力をして行きたいと思っております。

薬について
アナキンラ(Anakinra/Kineret®)
IL-1受容体拮抗薬です(IL-1β)。 人工的につくったたんぱく質で「IL-1受容体」と結合することで「IL-1β」と「IL-1受容体」との結合を阻害し炎症の活性発現を阻害します。一日に1回あるいは2回皮下注射で投与します。

リロナセプト(Rilonasept/Arcalyst®)
長時間作動型IL-1受容体拮抗薬です。 「IL-1受容体」と結合することで「IL-1β」と「IL-1受容体」との結合を阻害し、炎症の活性発現を阻害します。 週1回を皮下投与します。

カナキヌマブ(Canakinumab/Ilaris®)
ヒト抗IL-1β モノクローナル抗体です。 特定の分子(この場合IL-1βとのみ)と結合し、インターロイキン-1 βの作用を阻害する抗体です。8週間に1回皮下投与します。