CAPS患者・家族の会

CAPSと薬

私達は必要な薬をすべての患者に投与できる環境を目指しています

クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)・高IgD症候群(HIDS)の薬
クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)・高IgD症候群(HIDS)などの自己炎症性疾患は炎症性サイトカイン(IL-1β)が過剰に産出されるために激しい炎症症状が周期的・持続的に起こります。

以前は炎症抑制の為にステロイド剤や免疫抑制剤などを投与して来ましたが、卓効があるとは言えませんでした。

現在は炎症性サイトカイン(IL-1β)を標的にした新しい薬剤が、クリオピリン関連周期熱症候群(CAPS)や高IgD症候群(HIDS)などの自己炎症性疾患患者にみられる炎症性サイトカイン(IL-1β)のシグナル伝達を防ぎます。

CAPS患者の多くがこの様な薬剤の投与をすることにより全身の炎症が大幅に軽減し、健康状態が良くなりQOL(生活の質)が素晴らしく改善しております。

 

日本で使えるCAPS、高IgD症候群治療薬
日本で初めてのCAPSのお薬
イラリス®(カナキヌマブkanakinumab /ILARIS®
が承認され、2011年11月に販売になりました。(販売元:ノバルティスファーマ株式会社)

また、高IgD症候群、家族性地中海熱、TNF受容体関連周期性症候群などの自己炎症性疾患に対しても2016年12月にイラリスが承認されより多くの自己炎症性疾患の患者達にも薬が使える様になりました。

しかしながら日本ではCAPS治療薬はイラリスしか承認されておりません。アレルギーや体質などによりイラリスが使用できない例があり、イラリスに代わる治療薬が必要と考えております。

また海外ではCAPS適応薬としてイラリスを含めIL-1βを標的とした生物学的製剤である

  • カナキヌマブ(kanakinumab/ILARIS®
    投与例:8週間に一回を皮下注射
  • リロナセプト(Rilonasept/Arcalyst®
    投与例:1週間に一回を皮下注射
  • アナキンラ(Anakinra/Kineret®
    投与例:1日1回あるいは2回を皮下注射

などの治療薬が販売されております。

しかしアナキンラとリロナセプトに関しては国内承認の目途がついておらず、容易に入手できる薬ではありません。海外でも非常に高額な薬価となっており、一般家庭にとって重すぎる負担となります。

患者達は乳幼児期からの激しい炎症や発熱を繰り返しながら障害や痛みに耐え、そばで見守るしかない家族は必死の思いで看病しております。私達は一刻も早く必要な薬を全ての患者に届けたいと願い早期承認に向けて出来る限りの努力をしていきたいと思っております。

※イラリスは免疫を抑える作用があるために感染症などに注意が必要です。イラリス使用中に発熱や体調不良などの症状があれば必ず主治医にご相談ください。